メルマガ48号 宮本節子『AV出演を強要された彼女たち』(ちくま新書)の紹介

 PAPSに寄せられるAV出演強制の被害相談に対する支援活動に、スーパーバイザーとして深くかかわってこられた宮本節子さんによる本が先ごろ出版されました。もう読まれた方も多いのではと思いますが、まだの方はぜひお
読みいただきたいと思います。

 タイトルは標記のとおり。出版は、優れた新書を多く出してきた「ちくま新書」(筑摩書房)です。まず、この新書シリーズの1冊として出版されたことが素晴らしいと思います。多くの読者の目に触れることは間違いありません。また、本書はこれからどんどん全国紙・雑誌等の書評に取り上げられることでしょう。それは、単に名の通った新書として出版されたからではありません。本書が紹介している「事実」の持つ圧倒的な力、そしてそれを見事に文章化した著者の筆力が、書評者の関心を引かないわけがなく、かつ多くの読者を獲得しないはずがないと思うからです。

 さて、本は2部構成になっています。第1部は「アダルトビデオに出演させられてしまった彼女たち」。PAPSがこの間、相談支援にあたってきた無数の被害者の中の「Aさん」から「Eさん」までの「5人」が代表的・典型的な事例として、個人が特定されないように類似の例を混ぜ合わせて紹介されています。第2部は「なぜ契約書にサインをし、なぜそこから抜け出せないのか」。なぜ被害にあった女性たちは、スカウトから始まって、望んでいないAV出演を契約し、実際に撮影に参加し、そこから抜け出せなくなるのか。その「謎」、女性たちを巻き込むメカニズムが、AV業界の構造、業界側のテクニック、被害者側の心理などから、とても説得的に分析されています。加えて、支援のプロセスと方法、さらにはAV産業の構造や、被害者が結ばされる契約書の紹介と分析までが書かれています。

 第1部で紹介されている「5人」の被害者たちは、「代表例」「典型例」とされています。それぞれどういうものなのでしょうか。強姦して屈服させられた例;芸能人になりたいという夢に徹底的につけ込まれた例;18歳未満でスカウトされ20歳以上の成人になるまでさまざまな理由をつけてつなぎ留められて撮影に持ち込まれた例;家族や彼氏が介入して相談につながった例;自分の意思を明確に伝えることが苦手で強引に事を進められた例。これらの事例が、類似ケースを取り混ぜながら、臨場感あふれる筆致で再現されています。

 しかし、第2部の分析こそが、本書独自の本当の意義かもしれません。第1部に書かれた被害者支援の経験を踏まえ、なぜ本人が望んでもいないAV撮影に応じざるを得なくなるのか、その解明こそ、困難な作業であると同時に喫緊の課題だからであり、その大事な分析はだれにでもできるものではないと思うからです。

本書の分析は、全体において説得的です。詳しい内容は実際に本書を読んで
いただかねばなりませんが、ここでは紹介者のフィルターを通して諸要因を紹介すると、
(1)契約書や法外な違約金、借金による拘束・脅迫、
(2)親や友人等にバラすという脅迫、
(3)暴行や威圧、
(4)虚言、甘言、欺もう、錯誤の利用、
(5)AVに関する女性の無知・情報格差の利用、
(6)羞恥心、無力感等の利用、
(7)経済的困窮の利用・・・・。
挙げていくときりがありません。

それにしても本書の分析を読んで驚くのは、AV強制被害の発生メカニズムが、他の性暴力のメカニズム──強姦やセクシュアル・ハラスメントなど──と驚くほど似通っていることです。むしろ、AV強制被害だけにみられる固有の強制メカニズムは、契約書の存在や法外な違約金を除いて、ほとんどないのではないか、とさえ思わされます。

以上のように、本書は、PAPSが取り組んできたAV強制出演被害の相談支援活動にがっぷり四つで取り組んできた著者による、被害実態の臨場感ある紹介と、被害が発生するメカニズム、諸条件の全般的な解明を行なった、これまでに類書のまったくない貴重かつ重要な書物です。この本を書くことのできた著者が、片手で数えられるほど小数しかいなかったAV強制被害者の支援者の中にいたことの幸運さに思いを致さずにはいられません。この本の完成と出版を心から祝福し、著者に感謝すると同時に、これからは本書の普及に努めたいと思います。

PAPSの支援活動によって明らかになってきたAV出演強制の実態。そして、それがこうした優れた本として世に問われたこと──これらは、AV業界にとって、確かに打撃ですし、AV漬けになっている社会(の支配的男性たち)にとってもちょっとした衝撃だったでしょう。だからこそ、AV産業の擁護者たちは、業界維持のための自浄努力に一定取り組み始めたようですし(「AVAN」の活動)、強制出演問題をごく少数の例外的事象として矮小化する発言をいっそう強めてもいます。

AV漬けになった男性社会と、それに支えられたAV業界は、しかしこれきしのことでは揺るがないでしょう。今後の課題として思うのは、被害相談支援活動を通じて、AV強制被害が本当に例外的事象に過ぎないのかどうかの事実を解明していくことがあるでしょう。それに、見方によってはいっそう解明が困難なAVの「消費被害」(AVが性暴力・性犯罪の原因になっていること)と「社会的被害」(AVが女性差別、女性の二級市民化を促進していること)についても、これを機会に議論を深めたいと思います。

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メルマガ47号 「性被害にあってもSOSを出せない女性たち」公開講座の報告

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                 vol.047 2016年12月02日 発行

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【転送歓迎】
「性被害にあってもSOSを出せない女性たち」公開講座の報告

東京の数十年ぶりの11月の初雪、風邪も流行っているようですが、お元気におすごしでしょうか?前回お知らせした横浜での公開講座&支援者向け研修のご報告です。

去る11月16日(水)横浜の「フォーラム南太田」で横浜市男女平等参画センターの2016年度「公募型男女共同参画事業」として標記の公開講座&支援者向け研修を行いました。
今年のテーマは性暴力、性搾取に会う軽度知的障がい女性を取り上げました。

当日は50名の定員にそれを越す出席者で、急に出席できなくなった方の中には、資料だけでもほしいと言う方も数人おり、この問題の関心の高さを感じました。
公開講座では若年女性を支援し、そのなかに障がいを抱えた女性も含まれるとおっしゃっていたColabo代表の仁藤夢乃さんと、実際に知的障害のある女性の生活再建支援をしている婦人保護施設の現場からいずみ寮施設長の横田千代子さんとの文字通りコラボを実現することができました。

 なぜ、パップスが軽度知的障がい女性?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実はパップスの成立に深く関わっていたのが婦人保護施設の職員たちです。
婦人保護施設は売春防止法を根拠法とする女性のみを支援する施設で、1956年の成立当時から知的障害女性の利用が多かったという事実があります。『貧困、女性を性の道具とする思想、そして障害者差別=知的障害女性は騙しやすい』などの複合的差別のなかで、軽度知的障害のある女性が騙されたりして性搾取される現象があったと思われ、それは現在も変わっていません。近年はDV防止法による暴力被害女性の支援がメインになってしまって、他法優先の原則から知的障害女性は障がい分野でという流れがあり、実質的に支援から漏れてしまっている現実があります。どこも取り上げない、実際声を出すことすらできない女性たちの実態を知り、考えたいと言う趣旨からこの講座を開催しました。
 開催してみて驚いたのが、この問題に関心を持つ層の広さです。出席者の職業は看護師、相談員、消防士、教諭、養護教諭、女性支援施設、児童養護施設、知的障がい関連施設、相談機関支援員、教育委員会など公務員、医師、そして保護者など・・・・。
 講師の仁藤夢乃さんの活動は、ご存じの方も多いと思いますが、最近は「私は買われた展」を開催、徹底的に当事者目線での活動に注目が集まっている方です。当事者のニーズに応じてしている活動が婦人保護施設でしている支援と重なることが多いのに、びっくりしたのですが、仁藤さんも以前発行された「婦人保護施設と売春・貧困・DV問題」の本を読んで同じことをしている人たちがいたと思ったそうで、当日は支援者向けの参考書籍としてこの本を紹介して下さっていました。
 仁藤さんの支援の実態を話していただき、その後の女性たちへの支援を婦人保護の現場からいずみ寮施設長の横田千代子さんから話していただきました。

以下参加者からのアンケートについて詳細を掲載することはできませんが、要約しました。

・若年支援で課題になっているところは、福祉の分野とも通じ、教育、福祉、女性支援がどうネットワークを組んでいけるかが課題。
・現状、実態への認識不足を思い知らされた。
・話を聞いて、今、私が出来ることはなんだろうと考えた。
・女性保護政策の課題がみえてよかった。
・広汎性発達障害の娘について、障がいを持ち生きていく中で、どのような問題があり、そしてどのような支援があるかわかってよかった。etc

次年度パップスの企画を考えるとしたら・・・・というアンケート(抜粋)
・男性支援者を繋げるには ・ 性暴力と法律 ・性虐待 ・AV分野の人の話を聞く
・社会構造と性の暴力性の歴史 ・違う立場の支援者のパネルディスカッション
・「風テラス」弁護士の話 ・被害例の紹介とその後のケアについて

以上ご報告です。

【PAPSへのカンパのお願い】
現在、PAPSとLighthouseでは2015年4月からポルノ被害、性風俗被害に関する相談支援事業を行っています。2016年11月29日時点で、相談者の累計260名になります。
東北・関西・九州・北海道など東京以外の相談が増えてきています。遠隔地の相談者の場合には、現地の支援者や弁護士との連絡調整を図るためにスタッフが現地に赴いたりしています。
このような活動をするためには交通費や滞在費などがかさむので実効ある支援体制をなかなか
構築できないのが現在の大きな悩みです。

郵便振替口座:団体名 ポルノ被害と性暴力を考える会 番号 00190-3-565606

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ポルノ被害と性暴力を考える会編の出版物
○『森美術館問題と性暴力表現』(不磨書房2013.8)1,890円+送料
○『証言 現代の性暴力とポルノ被害 ~研究と福祉の現場から』
  東京都社会福祉協議会2010.11)1、905+送料
○リーフレット「AVに出演させられそうになっていませんか」 送料(+カンパ)のみ
○賃社編集室、発売:旬報社「賃金と社会保障 特集AVポルノ被害 1月合併号」
「まだ可視化されていない アダルトビデオ産業の性暴力被害と若者の貧困」
     賃社編集部了解のもとにコピーの実費+送料=300円で頒布
     2015年に、AV出演を拒否した女性がプロダクションから2460万円の損害賠償の民事訴訟をされて勝訴した事件がありました。表題になっている論述のほかに、判決文、当該女性の手記等が掲載され、今のところ、この事件に関する唯一のまとまった資料となっています。
書籍の申し込みは住所・氏名・希望部数を記載のうえ mail:paps@paps-jp.org
か、FAX(03-6304-2564)までご連絡ください。

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メルマガ46号 性被害にあってもSOSを出せない女性たち 公開講座&支援者向け研修会

【転送歓迎】
性被害を受けた女性たちは、警察や周囲の人になかなか相談できないでいる事実があります。
分けても、軽度の知的がい害をもつ女性たちの中には、自分がとても困った事態に落ち込んでも、言葉に出してSOSを発し、ひとに訴えることがとても苦手な人たちがいます。彼女たちは支援が必要であるにも関わらず、福祉の支援の手が届きにくい状況にあります。彼女たちには必要な情報が届きにくかったり、利用するための支援を得られていなかったりするからです。

彼女たちにとって、理解しやすい形で情報を提供したり、寄り添って支援することが必要なのですが、障がい者福祉の谷間にあって、重度の障がいを持つ人たちとはまた異なった生活困難を抱えて生きています。

夜の街をさまよう若い女性の支援をしている仁藤夢乃さんからは、軽度の知的障害のある女性たちが街なかに放り出され、いかに生きにくさを抱えているかの実態を話していただきます。

婦人保護施設で長年性的搾取を受けてきた女性たちの支援をしてきた横田千代子さんからは、夜の街からも放り出されて行き場を失い、生活再建を求めて婦人保護施設に辿り着き、施設を経て再生していく女性たちの状況を語っていただきます。

街を歩いていると性風俗の関係者やスカウトマンの方がずっと彼女たちの気持ちに寄り添い適切な支援をしているかに見えます。実際には、彼女たちは性的に搾取される場合が多いのです。
日ごろ福祉の現場にいる支援者たちがなかなか取り組めていない、軽度の知的障がいのある女性の性的トラブルにより生きずらさを抱えている彼女たちへの支援のあり方を探っていきましょう。

≪公開講座&支援者向け研修会≫
**性被害にあってもSOSを出せない女性たち***
―――助けて! でも・・誰に相談したらよいのか分からない ―――

講師:仁藤夢乃さん(一般社団法人 Colabo代表)
 「街中で見られる、性産業に巻き込まれている軽度知的障害の女性の実態」
講師:横田千代子さん(婦人保護施設 いずみ寮寮長)
 「婦人保護施設に辿り着いた軽度知的障害の女性たち」

日時:2016.11.16(水) 13:30 ~ 16:00(13:00開場)
会場:フォーラム南太田 3F大研修室(横浜市南区南太田1-7-20)
対象:性被害にあった女性の支援に関わっている人、知的障がい者に関わっている人等
定員:50名
参加費:1000円(学生500円)
企画実施:PAPS(ポルノ被害と性暴力を考える会) http//paps-jp.org

申し込み:お名前・所属・連絡先記入の上下記に
fax:03-6304-2554
     メール:paps@paps-jp.org
詳細お問い合わせ:横浜市男女共同参画センター・フォーラム南太田
     ℡:045-714-5911

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現在、PAPSとLighthouseでは2015年4月からポルノ被害、性風俗被害に関する相談支援事業を行っています。2016年10月10日時点で、相談者の累計240名になります。
東北・関西・九州・北海道など東京以外の相談が増えてきています。遠隔地の相談者の場合には、現地の支援者や弁護士との連絡調整を図るためにスタッフが現地に赴いたりしています。
このような活動をするためには交通費や滞在費などがかさむので実効ある支援体制をなかなか構築できないのが現在の大きな悩みです。

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メルマガ45号 相談200ケースを越す

【転送歓迎】
≪ 相談200ケースを越す! ≫
 2012年に1件、2013年に1件、2014年に29件と寄せられていた相談が2016年8月8日現在で累計200件になった。

 ぽちぽちと寄せられる相談に押されるように、体制を整える間もなく始まった相談だったが、2015年4月からは特定非営利活動法人人身取引被害者サポートセンター「ライトハウス」との協働事業として「AV被害者相談支援事業」を立ち上げ、二つの団体の強みを生かして相談事業をすすめている。

 すなわちITエンジニアとソーシャルワークの専門家のいるパップスと外国からの人身取引被害者として日本へ「輸出」されてくる女性たちの救援活動の実績もあり、人件費も賄う資金のあるライトハウスが手をつないだ意義は大きい。(200ケースのなかみは、AV被害のほかに児童買春、児童ポルノ、性被害なども含まれている。)

 この200ケースの相談のなかで、自死された方が2015年7月に1人、2016年8月に1人おられた。遺族の方が伝えてくださったことにより、私たちは知ることができた。これは表に出てはっきりしているものだけである(連絡が取れなくなっている方については把握しようがないのである)。相談やメールの中で「死にたくなってしまう」という言葉を何度聞いたことか・・・・。

 夜中、また未明に届くメールは、命をつなぐ細い糸と考えると、15分以内に返そう、ご本人が何をしたいのかを考えながら伴走しようと日々奮闘している。

 自分が悪いのだけれど、日々究極のプライバシーをネットで流されるのは、苦しい、死にたくな等々。相談者は、北は北海道から南は九州まで。地方の相談員と弁護士さんのネットワーク大切で、これも少しずつ出来つつある。そう、相談者は関東圏だけでなく、全国にいらっしゃのである。

 社会的にも昨年9月のAVに出演拒否した女性への2,460万円損害賠償請求棄却の判決がでてメディアに出て以来、各メディアがこの問題に注目するようになり、国会でも取り上げられるようになるなど、2~3年前には考えられない状況になっている。ネットでのバッシングなどもあるが、私たちは、ただ私たちを求めている相談者の相談に乗っているに過ぎない。そのなかでAV制作・流通・販売等のいろいろな産業構造や課題が浮かび上がってきているのである。

 相談を寄せて下さる方の命をつなぐ細い糸をどのようにして手繰り寄せていくか。200ケースという数字ではなく、そこに一人ひとりの人生があり、その人生に私達は関わらせていただいているという畏れの気持を常にもっていることが大事なのである。

自分を責めて命を絶つ人がこれ以上出ないことをこころから祈るのみである。自死されたお二人のご冥福を心からお祈りしたい。
 
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メルマガ44号 渋谷区議会:アダルトビデオ被害者救済に関する意見書を国政に提出

【転送歓迎】
≪ 渋谷区議会:アダルトビデオ被害者救済に関する意見書を国政に提出 ≫
 アダルトビデオ(AV)の制作現場で発生している性暴力、性搾取の現状は、当事者からPAPSなどの組織に寄せられる相談が増加していることや、また、昨年はAV出演を断った女性がプロダクションから2400万円もの損害賠償の民事訴訟を起こされてしまいましたが、逆に女性側が勝訴したことを多くのメディアが報道したことにより、ようやく表面に出てきた感があります。

 3月には地方自治体で注目すべき動きがありました。

 2016年3月31日、渋谷区の区議会において5名の区議会議員(下嶋倫朗(自民)/吉田佳代子(民進)/五十嵐千代子(共産)/栗谷順彦(公明)/薬丸義人(シブヤを笑顔にする会))によって提案された「アダルトビデオ出演等の強要の防止及び被害者の救済に関する法整備を求める意見書」が全会一致で可決され、衆参両議院議長及び関連大臣に提出されることになりました。おそらく、地方自治体でAV被害問題に取り組んだ初めての例だと思われます。
 なお、この日、渋谷区議会では「子どもを性の対象とすることを容認しない法改正を求める意見書」も全会一致で採択されています。
 以下意見書の全文を掲載します。

≪ アダルトビデオ出演等の強要の防止及び被害者の救済に関する法整備を求める意見書 ≫
近年、若者が路上等で勧誘され、その意に反してアダルトビデオやアダルト動画チャット(ネットを介した性的な動画交信)に出演させられたという被害が相次いでいる。勧誘当初はアダルトビデオ業者である事を隠し、学生証や身分証明書をコピーする等の手段により出演を強要するなど、その手口は極めて悪質である。かかる行為は、個人の自由を奪い、暴力や脅しや騙しを使って個人の意に反して働かせ、その利益を搾取する犯罪行為である。
 渋谷区には40社以上のアダルトビデオ・プロダクションが存在し、過去2年間に被害者支援団体に寄せられた相談114件のうち41件は、渋谷区内で勧誘、撮影、又は制作が行われた実態があり、その被害は急増傾向にある。
 渋谷区はこれらの実情に鑑み、渋谷区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例に基づき勧誘行為を禁止し、対策の強化に取り組んでいるものの、国による抜本的な対策が急務である。
 よって渋谷区議会は、国会及び政府に対し、こうしたアダルトビデオ業者等による個人の意に反する形での勧誘、雇用、派遣、制作、販売、貸出し、配信等による性的被
害を防止し、実態調査、公安委員会への届け出、立ち入り調査等による被害者の救済を行うため、罰則付きの総合的な法整備を強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年3月31日
渋谷区議会議長名

衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/法務大臣/厚生労働大臣/内閣官房長官
国家公安委員会委員長 あて

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メルマガ43号 衆議院内閣委員会での性暴力に関する質問

【転送歓迎】
≪ 衆議院内閣委員会での性暴力に関する質問 ≫

3月11日、衆議院内閣員会において、共産党の池内さおり衆議院議員が女性に対
する性暴力の問題を取り上げて約1時間8分質問を行っています。下記のユーチュー
ブから是非閲覧してみてください。1時間8分で長いですが、絶叫調ではなく淡々と
しつつも大変迫力ある質問を展開しています。PAPSへのヒアリングをもとにした質問は、
後半46分ごろから始まります。

youtu.be/iDScp9xoacM

池内さおり議員は、(1)強姦の被害率を引いて女性の対する性暴力(強姦)の
実情の把握の必要性を質問しています。次に、(2)JKビジネスの問題を取り上げ、
ご自身が街をさまよっていた少女を自分のアパートに連れていって一晩語り明かした
経験を軸にしながら、Colaboの仁籐夢乃さんへのヒアリングを引いて、JKビジネスを
行っている業者が如何に少女たちのニーズに即応しているかをこまごまと上げながら、
公的機関こそ彼女たちにニーズに応えることが大切ではないかと訴えています。
(3)後半46分以降では、昨年9月のAV出演拒否損害賠償訴訟についてふれながら、
従来被害者はいないとされてきたアダルトビデオには恐らく膨大な数の被害者がいるかも
知れないので対策が必要との質問をしています。菅官房長官、加藤男女共同参画・
内閣府特命大臣、盛山法務大臣、河野国家公安院長等が回答しています。

【PAPSへのご支援と、助成金申請先についての情報提供のお願い】

現在、PAPSとLighthouseでは2014年4月からポルノ被害、性風俗被害に関する相
談支援事業を行ってきましたが、2016年3月20日時点で、今支援を必要とされて
いる相談者は34人おられ、東北・関西・九州・北海道など東京以外の相談が増
えてきています。スタッフの交通費や滞在費などがかさみ、財政的にもひっ迫しております。
そこで、みなさまの周りで、本相談支援事業に関する助成金申請先をご存じでしたら、
情報提供をお願いいたします。

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メルマガ40号 AV違約金訴訟で原告(プロダクション)敗訴 判決の意義(その2)

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                 vol.040 2015年12月23日 発行

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≪ AV違約金訴訟で原告(プロダクション)敗訴 判決の意義(その2) ≫

あるプロダクションがAV出演を断った女性を相手取って損害賠償請求の民事訴訟を起こした。プロダクションの請求は棄却された。AV制作に巻き込まれ、制作現場では女性が性搾取され、性被害が横行していた問題が民事的な司法の場で公になった意義について、さらに検討を加えてみよう。
女性側は訴えられたのでやむなく受けて立たざるを得なかった裁判であるが、判決と審理プロセスの意義について以下のことも評価できると思われる。

1 AV制作現場で行われているあこぎな性搾取や性暴力が可視化されたこと
9本のAV出演を断ったら、プロダクションはその女性に対してまだ撮影してもいないDVDの損害を請求してきた。1本当たり約二百数十万円、計2400万円もの損害金の額について、二十歳やそこらの女性にそんな高額な価値があるということで、一般的には単純にびっくりしたと思う。そんなに価値があるとすれば、契約させた以上プロダクション側には性暴力行為と言われようと強行するインセンティヴが働くということを、裁判は理解しやすい形で示した。女性は納得して出演しているし、対価も得ているのだからAVには被害者はいない、という神話の一端が事実を持って崩された。

2 AVに絡めて取られた女性を縛っている“契約”について、判決はその外形的な形式ではなく実態的な内容に即して判断を下していること
 AVに絡め取られた女性は途中で“もう(出演は)嫌!”と思っても、契約しているのだから出演しないのなら、違約金を支払えと、とんでもない額の違約金の請求がされる。AV出演の実態を知った女性が抜けだそうにも抜け出せない装置の要にあるのが、女性、プロダクション、メーカーとの間で交わされる種々の契約書なのだ。契約書として形式は整っているかもしれないが、その内容は極めて不平等で、プロダクションと制作会社との実態的な力関係において女性は事実上無権利状態に置かれてしまう。これに関しては、PAPSでは何種類かの契約書を実際に入手して内容を読み込んでおり、かねてから問題視していた。
当該女性が取り交わした契約書は、自分の女優活動の営業をプロダクションに委任する形式を取っている。しかし、実態はプロダクションが受けてきた業務を女性が否応なく受けざるを得ない雇用契約に近い内容だと判決では判断した。雇用類似の契約であるなら、民法上はやむを得ない事情にある場合は契約を破棄できるとの条文(民法628条)がある。やむを得ない事情というのが、メルマガ39号で伝えた「意に反した性行為はしなくてもいい」という判断である。
 AV制作に絡め取られている女性が抜け出したくとも抜け出せないでいる要の契約書が果たす役割は極めて重大だ。PAPSでは、弁護士などに相談に行くと契約書を取り交わしている以上仕方ないねと受任してもらえない例を聞いている。形式ではなくその契約の実態や機能が問題だという判決の意義は極めて大きい。

3 プロダクション(原告)は女性(被告)に法廷での証言を求めたが、この請求を裁判所は退けていること
この裁判では、被告にされた女性は証言台に立つことになく審理が進行し結審にまで至っている。このことは、性暴力裁判としてとらえたとき極めて大きい意義がある。女性はプロダクション側から訴えられたのでやむなく受けて立たざるを得なくなったのだが、逆にAV産業側からいえば、出演拒否なんかすればこういうことになるのだぞという、ある種の見せしめ的な意味を持っていたと思われる。性暴力被害の裁判における当事者が出廷せざるを得ないとき、遮蔽措置が施される場合があるが、それでも法廷に立たねばならないこと自体の恐怖は想像に難くない。裁判所が、女性が証言台に立たなくても審理はすすめられるとの判断を示したことによって、女性はどんなにか安堵したことだろうか。この事案を一般化するわけにはいかないが、少なくとも原告であるプロダクションは、このことを理由に控訴していない事実を残したと思う。

4 被告である女性からの訴訟記録の閲覧制限の請求が認められていること
 一般的に裁判は公開が原則である。しかし、性被害の裁判においては女性の二次被害を防ぎ、プライバシーを守るためには、裁判はもとより裁判資料を公開しない原則が必要だ。この裁判においては、女性側弁護団は訴訟記録閲覧制限の手続きを取り、認められた。第1審判決が確定した後、PAPSを含めて女性側の弁護団は記者会見を開催した。この時の公開資料は、全て女性が確認をし、了承した資料のみである。

この裁判を通じて、当事者の女性が男性との性行為を撮影されることを拒否したら、契約書を盾に莫大な違約金や損害賠償を請求するAV業界の“慣行”の理不尽さが明らかにされた。AVの制作過程には、性搾取的な性暴力が存在していることが分かったのである。
プロダクションの損害賠償請求は棄却されたが、女性にとってはこれで問題が解決したわけではない。第1審の確定以後も、DVDの映像はネットに氾濫しているのだ。類似したひどい例では、2004年にバッキービジュアルプラニングというAV制作会社の関係者が、強姦致傷罪で立件され主犯格は懲役18年の重罪に処された事件があった。AV制作の犯人らは収監されたが、その“作品”はいまだに堂々と販売されているし、映像もネット上に氾濫している。
前号のメルマガの繰り返しになるが、判決確定後の課題は、意に反して撮影されたAVの販売差止め、回収命令を容易にすること、被害者からの損害賠償請求をでき易くすることなどがある。
この問題に関しては30年以上も前に既にアメリカで論じられた例がある。次号のメルマガでは、以前にアメリカで論じられた「反ポルノグラフィ人権条例」の論点をもう一度振り返ってみよう。
 
ポルノ被害と性暴力を考える会編の出版物
『森美術館問題と性暴力表現』(不磨書房2013.8)1,890円+送料
『証言 現代の性暴力とポルノ被害 ~研究と福祉の現場から』
 東京都社会福祉協議会2010.11)1、905+送料
パンフレット『今はまだ名前のない性被害があります』カンパ200円以上+送料 
リーフレット「AVに出演させられそうになっていませんか」 送料(+カンパ)のみ
書籍の申し込みは住所・氏名・希望部数を記載のうえmail:paps@paps-jp-orgか
FAX(03-6304-2564)までご連絡ください。

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メルマガ42号 AV出演拒否裁判の資料

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≪ AV出演拒否裁判の資料 ≫

AVに出演するのはもう嫌!と拒否したら、プロダクションから2460万円もの損害賠償を訴えられた民事訴訟で、訴えられた方の女性が勝訴しました。その訴訟事件に関する経過と背景をまとめた一文が掲載された雑誌、「賃金と社会保障 1月合併号」がこのほど出版されました。
なお、この裁判に関するまとまった出版物は今のところこの雑誌だけです。
この一文はPAPSの支援者の視点から書かれており、今後は法律家からの分析がどこかの雑誌から出されるだろうと思います。

賃社編集部の了解のもとに、コピー(約30p.)を実費(実費+郵送料=300円)で配布いたしますので、ご希望の方は、下記にご連絡ください。

paps@paps-jp.org
送り先の住所、希望部数を記入してお送りください。
代金は同封してある郵便振り込み用紙にてお支払いください。カンパは大歓迎です。

発行:賃社編集室、発売:旬報社「賃金と社会保障 特集AVポルノ被害 1月合併号」

「まだ可視化されていない アダルトビデオ産業の性暴力被害と若者の貧困」宮本節子
1 裁判に至る経過
2 判決の意義
 (1)原告請求棄却の論理
 (2)性暴力被害者裁判としての意義
3 若者がポルノ製作に巻き込まれるプロセス
4 ポルノ被害の特異性
5 AVに巻き込まれる若者の貧困
 (1)若者たちの貧困
 (2)被害者救済の社会的システムの貧困

資料1 本件の事実経過 弁護団
資料2 被害者の手記
資料3 AV違約金訴訟・東京地方裁判所判決文(プライバシー部分削除)
資料4 PAPS団体紹介と相談事例について

当該女性は現在20代ですが、AVに巻き込まれていったのは高校生からで、AV被害に遭う女性たちの多くは15,6才頃から兆候が始まっています。その意味では、大人の問題ではなく(大人の問題とは消費の問題として存在します、念のため)、まさに青少年の問題でもあります。また、私たちに寄せられる相談の中には、高校生、中学生も大人からの買春(俗に援助交際と言われている)に巻き込まれたりしている事案もあります。女性からの相談だけではなく、男性からの相談もあります。

多くの方々にお手に取っていただきたいと願います。

なお、雑誌本体をご希望の方は下記から入手できます。
https://twitter.com/chinshayamabuki

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メルマガ41号 週刊朝日1月29日号にAV訴訟事件が大きな記事に

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≪ 週刊朝日1月29日号にAV訴訟事件が大きな記事に ≫

明けましておめでとうございます。
緊急のお知らせがあります。

ただ今現在(1月21日)発売中の週刊朝日を是非お手にとって見て下さい。

昨年、あるプロダクションがAV出演を断った女性を相手取って損害賠償請求の民事訴訟を起こし、女性側が勝訴した事件をお知らせしました。
この訴訟事件を中心に、訴訟の背景にあるスカウトされてAV出演を余儀なくされる若い者たちの状況を取材した記事が3ページの大枠で掲載されています。
筆者は、医療ジャーリストの福原麻希さんです。
勝訴が確定した記者会見のみならず、PAPSが開催したり、関係者が講師になった勉強会などを丁寧に取材して、記事を書いています。

ポルノ被害と性暴力を考える会編の出版物
『森美術館問題と性暴力表現』(不磨書房2013.8)1,890円+送料
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パンフレット『今はまだ名前のない性被害があります』カンパ200円以上+送料 
リーフレット「AVに出演させられそうになっていませんか」 送料(+カンパ)のみ
書籍の申し込みは住所・氏名・希望部数を記載のうえ mail:paps@paps-jp.org
か、FAX(03-6304-2564)までご連絡ください。

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メルマガ39号 AV違約金訴訟で原告(プロダクション)敗訴 判決の意義(その1)

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.039 2015年12月14日 発行

【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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お送りしております。配信停止をご希望の方は、hpsv-mag-del@app-jp.org 宛て
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 今年9月9日、AV出演を断った女性に芸能プロダクションが2460万円の違約金支払いを求めた訴訟で、プロダクションが敗訴する判決が下された。期限までにプロダクションが控訴しなかったので、女性の勝訴が確定した。
 プロダクションが、女性を騙してAVを撮影した行為は「集団強かん」に等しく、本来犯罪行為として刑事責任と、民事上の損害賠償責任を問われてしかるべきだ。
 ところがあろうことか、プロダクションは、自分たちで勝手に決めた「残り9本のAV」に女性が出演しないと知ると、本来得られたはずの利益や宣伝にかかった経費などと称して2460万円の違約金を要求し、裁判を起こした。違約金の支払いは、女性がよく内容を理解しないまま署名捺印させられた契約書に規定されていた。
 プロダクションは、この底知れぬあくどい訴訟を起こしはしたものの、ただ単に請求が棄却されただけの結果には終わらなかった。逆に自分たちの首を絞める結論を引き出してしまったということができる。判決は、次のように判示したからである。

「アダルトビデオへの出演は(中略)性行為等をすることを内容とするものであるから、出演者〔の〕意に反してこれに従事させることが許されない性質のものといえる」

 これは一見すると当然のことを言っているにすぎないように思われるが、女性の訴訟代理人の1人であった伊藤和子弁護士が指摘しているように、「改めて判決〔が〕このように言い切った事例はやはり画期的」である。なぜならそれは、AV出演に関しては「意に反する以上、女性側から即時〔契約の〕解除が可能」となる「やむを得ない事由」があるということを意味するからだ。

 よって、プロダクションは「これからはもう、契約書をたてに、本人の意に反して、AV出演を強制することは許されない」。逆に、「悩んでいる女性たち」は、この判決をこそ「たてに」して、「嫌ならいつでも、できるだけ早く、契約を解除」することができる。「AVはいやです。やりたくありません」とLINEに書いて伝えるか、ファックスや郵送で送りつければよい、ということだ。そうしさえすれば、少なくとも法的には「翌日から撮影現場に行く必要はない」。もっとも、相手が実力行使に出る可能性もあるので、理解ある相談機関や弁護士と繋がる必要はある(警察は今のところ「理解ある」ことを期待できない)。

 プロダクションは、法外な額の「違約金」なるものを武器にして、これまでも、そして現在も、数え切れない女性にAV出演を強要し、若い女性たちの人生を台無しにし、時には命をも奪い、自らは暴利を貪ってきた。その非道な手法の非道性を──最初からか途中からかはわからないが──見失い、それを法廷の場に持ち出したことによって、かれらはそれに法律上の正当性などひとかけらもないことを明らかにしてしまった。

 この法律上の勝利は、諦めることなくプロダクションの魔の手から逃れようとした被害女性、彼女を身を挺してサポートしたPAPSメンバー、そして伊藤弁護士を始め6人の訴訟代理人を勤めた女性弁護士によって勝ち取られた。

 これからは、この判決の主旨を私たちは大いに宣伝し、広め、活用することが必要になる。PAPSのウェブサイトに判決主旨を大々的に掲げることもいいだろう。また、警察庁・警視庁に周知し、個々の現場の警察官に教育・研修させることも必要だろう。この事例で実際に生じたように、警察に救いを求めたら「あと2本出演したどうか」などという対応をされることを絶対に繰り返してはならない。

 この判決は、しかしポルノの出演被害に遭った女性を防護する「最低ライン」を確保したにすぎないこともまた事実である。今後に残された課題としては、意に反して撮影されたAVの販売差止め、回収命令を容易にすること、被害者からの損害賠償請求をでき易くすることなどがある。

PAPSに寄せられた約100件もの被害相談は、まずは相談体制の充実・確立こそが必要であるものの、その次の大いなる目標が、被害女性を支援する法の制定にあることを示しているように思われる。
 次回のメルマガでは、今回の裁判は、性被害にあった女性たちにとっては、どのような意義があるかについて触れていきたい。

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