わたしたちPAPSについて

 私たち「ポルノ被害と性暴力を考える会(People Against Pornography and Sexual Violence: PAPS)」は、その規約において、「ポルノグラフィの制作・流通・消費などを通じて、あるいはその影響を受けて生じているさまざまな人権侵害や性暴力の問題について議論・調査・検討しこの問題を社会に広く訴えていくことや、ポルノ被害を受けた方の被害者支援を行うことを目的とする」ことを掲げ、婦人保護施設職員児童施設職員スクールソーシャルワーカー大学教授大学教員性暴力・性被害の問題に詳しい弁護士人身取引被害者救援スタッフなどが参加し、専門知識を生かして、ポルノ被害を中心とするさまざまな性暴力の問題に取り組んでいる団体です。

 私たちがポルノ被害を課題の中心に据えたのは、これまでまともに取り上げられてこなかった多くの性被害がそこには存在するからです。児童ポルノでは少女が、成人ポルノでは(多くは)若い女性が、性的に陵辱され、単なる性的玩弄物として扱われ、しばしば露骨な性暴力を受けています。また、ポルノグラフィを通じて女性や子どもを性的にモノ化し性暴力を是認・煽動するような風潮や認識が形成され、また実際に多くの性暴力を生み出しています。

 レイプだけでなくセクハラや痴漢などは広く性暴力として社会的に認識されてきていますが、ポルノの中ではそれらすべてが楽しんで消費できる快楽として描かれており、性暴力を積極的に肯定し助長する内容となっています。現実社会で起きているさまざまな性暴力は、ポルノの制作・流通・消費を通じて形成されている社会の性意識・性行動のあり方全般と連続し相互作用しあっています。またポルノ被害は売買春によるさまざまな性被害とも深く関連しています。実写ポルノは売買春の一形態であり、売買春の中で行なわれているさまざまな性侵害的行為がカメラの前で再現されています。

 私たちはそうした観点から、今まであまり真正面からは取り上げられてこなかったポルノ被害の諸問題とポルノの社会的影響を視野に入れて、性暴力について考えていこうとしています。

設立のきっかけと会の構成

 本会の設立のきっかけとなったのは、2008年に、子ども向けの良書を出してきたことで有名な理論社という出版社から、「よりみちパン!セ」シリーズの一環として、きわめて暴力的なアダルトビデオ(AV)制作者として著名な人物バクシーシ山下を執筆者にして、青少年向けに性について語らせる著作『ひとはみな、ハダカになる。』が出版されたことです。この暴挙に対して、婦人保護施設の現場からの抗議の声が上がりました(資料1)。この事件をきっかけとして、これは単に一出版社の無思慮な行為の問題ではなく、社会全般に蔓延している女性や子どもへの性暴力を容認ないし軽視している社会のあり方の問題であるとの認識に至りました。

 抗議運動の中心になった婦人保護施設には、DVや性産業、性暴力に巻き込まれて生活を破壊された女性たちが生活の再建を求めて集まってきています。現場の職員たちはこれらの女性たちが直面している現実をつぶさに見ているため、被害を生み出さないために社会への啓発の必要性を強く実感していました。そうした中で起きた理論社問題は単なる一出版社の問題ではないことが、危機感を持って感じられたのです。理論社に対する抗議の署名運動(2008年9月~12月)を婦人保護施設の有志を中心に行ない、全国から1万筆の署名を集めました。署名には、女性福祉の関係者はもとより、児童養護施設、知的障害者施設からの協力も多かったことが一つの特徴でした。そうした施設にもポルノ、性売買、性暴力の被害者が少なからず集まっていたからです。(資料2

 こうした福祉施設の現場で支援に当たっている人々にプラスして、これまでポルノ被害の問題や児童ポルノの問題に取り組んできた研究者、市民活動家、その他の有志が集まって、2009年5月1日に「ポルノ被害と性暴力を考える会」を発足させました。(なお、現在、理論社は経営陣を一新させており、バクシーシ山下の著作に関しては旧理論社と根本的に立場を異にしています)

これまでの活動実績

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