ぱっぷすについて | PAPS
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わたしたち「ぱっぷす」について
 

ぱっぷすは2009年に設立しました。当時はAV出演被害などの性的搾取・デジタル性暴力被害の予防啓発活動をしてきましたが、発足から3年後の2012年に1件のAV出演被害の相談が寄せられました。被害者のあまりにも深刻な状況に対し、直接的に加害を取り締まる法律がないことがわかりました。

 

ぱっぷすでは、深刻な被害状況あわれたかたをサポートする仕組みを痛感し、相談窓口を開始しました。寄せられる相談を通じて、多くの若年女性の方たちが同じ被害にあわれていることがわかりました。

2017年にNPO法人を設立し「性的搾取に私たちの世代で終止符を打つ」というミッションの実現にむけて、それまでに蓄積した専門知識を生かし、主に10代~20代の性的搾取及びデジタル性暴力被害に遭われた方に対し以下の総合的な支援(※1)を行っています。

新規相談件数

 
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​急上昇

総合的な支援とは?

国連特別報告者のジョイ・ヌゴジ・エゼイロ氏​(2007年)によれば、日本の人身取引の大多数は、売春その他の性的搾取を目的とする人身取引であるとし、この状況に対処するためには、特に女性と子どもの人身取引(性的搾取)を対処するための戦略基盤として包括的で総合的なアプローチ「5つのP」と「3つのR」が欠かせないとの指摘を受けました。

っぷすは以下のこの8つの戦略基盤に基づいて活動しています。

 
 

5つのP

  • 保護 (Protection)

  • 訴追 (Prosecution)

  • 処罰 (Punishment)

  • 予防 (Prevention)

  • 促進 (Promotion)

(国際協力の促進)

​3つのR

  • 救済 (Redress)

  • 復帰 (Rehabilitation)

  • 再統 (Reintegration)

 

(社会で建設的な役割を

担えるようにするための

被害者の再統合)

ぱっぷすは、性的搾取・デジタル性暴力にあわれたかたのサポートをしています

 
  • アウトリーチ:支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し声掛けなどを行い福祉が積極的に働きかけて情報・支援を届けるプロセスのこと。

  • 削除要請:本人に代わって拡散した性的画像記録の削除要請を行うこと

  • アドボカシー:広報・啓発・政策提言などのこと

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​政策提言
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自立・回復に
​つなげる

​ぱっぷすの取り組む社会問題とは

 現在、スマートフォンの加速度的な普及と巧妙化する性的搾取ビジネスによって、高校生や中学生から児童ポルノ・リベンジポルノなどの相談、18歳前後を境に意に反してAV出演や性風俗産業に巻き込まれる内容の相談が寄せられます。多くの女性や子どもたち、時には男性ですらも、性的搾取によって心身に深い傷を負いながら、その被害を訴えることができずにいます。ぱっぷすでは、「デジタル性暴力」「性的搾取」の社会課題に取り組んでいます。

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①デジタル性暴力

 

「自分が承諾していないにも関わらず、スマートフォンなどで性的な動画・画像を撮影された」「撮影された性的動画・画像がSNSで拡散されてしまっている」などスマートフォンやインターネットなどの機器やデジタル技術を用いた性暴力被害をデジタル性暴力と呼びます。

デジタル性暴力は、テレビ報道・学術発表等でも利用されるなど、普及しつつある概念です。海外の研究では、デジタル性暴力被害は、直接的な性暴力被害と同等の影響を被害者にもたらすという研究結果もあり、その被害の深刻さが社会的に認知された上で法整備が進みつつあります。国内では、2019年に1479件の私事性的画像記録に係る被害相談件数が警察庁から発表されており、20代女性が圧倒的多数を占めています。しかし、現行法では被害者救済のための規定が極めて限定的であり、被害回復に課題があります

デジタル性暴力は「見知らぬ誰かが自分の裸を見ているのではないか」「知人や家族に画像を見られてしまうのでは」などの不安、実際に周囲の人々に知られたことにより、家族や仕事を失って居場所がなくなる問題などの深刻な問題を内包しています。今やインターネット上の画像は、誰でも保存・再投稿が可能なため、これらの被害画像を完全に消し去ることが現実的に不可能とされ、終わりが見えない苦痛に絶望して希死念慮を訴える被害者も多くいます。ぱっぷすへの相談後、親族などの連絡で自死と判明した方も確認しており、中には自殺未遂を繰り返し、急に連絡が取れなくなった方もいます。デジタル性暴力が若年女性の自立にとって非常に大きな障害となっている事で、心理的・精神的・社会的なサポートが急務です。

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②性的搾取

 

性的搾取とは、性的な目的のために、相手が脆弱な立場であることや相手との力関係、信頼関係を悪用すること(及び悪用しようとすること)です。相手を性的搾取することによって、金銭的、社会的または政治的な利益を得ることなども、性的搾取のなかに含まれます。特に、セックスの売買や斡旋・児童ポルノやアダルトビデオ出演において、性的搾取が起きてしまいます。

 

日本では売買春は違法です。しかし、性行為が行われるアダルトビデオの撮影や販売は合法です。ぱっぷすに寄せられた被害では、昨日まで児童だった方が18歳の誕生日を迎えると同時に、合法的にアダルトビデオの被写体として撮影され、また商品として販売されてしまう現状があります。アダルトサイトで「エンターテイメント」として消費されるのは、AVプロダクションやAVメーカーが関わるアダルトビデオだけではありません。リベンジポルノや盗撮、個人撮影もひとつの性的な動画のジャンルとして扱われます。

性的搾取は、需要と供給という経済原理と、それを支えるシステム、そして容認する社会の上に成り立っています。寄せられる相談を通じて見えてきた性的搾取の実態について調査し、性的搾取のサイクルに終止符断ち切るために活動しています。

ぱっぷすの4つの特徴

対人支援の専門性

社会福祉士・保護司・心理カウンセラー含む相談支援チームがそれぞれの専門的な視点を持ち寄り相談者の自立や回復をサポートしています。

ICT技術に精通

ネットワークエンジニア・システムエンジニア主導の下で性的画像記録の削除要請方法、ストリーミング動画・チャットログ等の証拠保全活動、投稿者のIPアドレスやサーバーの所在地の確認方法、証拠資料として携帯電話やスマートフォンの解析、セキュリティ対策など多岐の活動をしています。

多言語スタッフが在籍

英・中・韓・仏・マレー語で対応可能なスタッフが在籍していることで、多言語での相談の受付はもちろん、画像が意に反して拡散された海外ポルノサイト等への削除要請や、外国人の元恋人によるリベンジポルノなどのケースにも、円滑に対応する事が出来ています。

適格なアウトリーチ

ぱっぷすは、相談者の声やこれまでのアウトリーチ経験を通じて、AVプロダクションや性風俗斡旋業者のスカウトが声をかける道、スポット、エリアを把握しているため、スカウトのターゲットになった路上の女性たちにピンポイントで声かけや情報提供を行う事ができます。

性的搾取をなくすためには

 

「セックスは買える」という考え方は様々なメディアを通じて社会に浸透しています。性を買うことが寛容な社会では、それが犯罪であっても被害者にとっては自己責任として扱われ、被害を訴える力が奪われていきます。反対に加害者は逮捕されるリスクが低くなり、新規参入者も増えて性的搾取が横行していきます。その結果、性的搾取に関連した巨大な利権構造が作り出されていきます。一方で、性的搾取の構造の犠牲になりやすい多くの女性に対しては、子どもの頃から様々なメディアを通じて、性は幼いほど売りものとしての価値があり、露出をするほど価値が高い、性的な商品としておとしめられることを幼いうちから体験的に学習をさせられています。そのなかで、子ども・若年女性たちが社会に希望を持てなくなった瞬間や、社会とのつながりを見いだせずに居場所を失う瞬間を、性的搾取をする人たちは見逃しません。現在、18~20歳前後の若年女性の弱みに付け込み、多額の借金の返済のために、管理売春・性風俗関連特殊営業の斡旋やAV出演の斡旋をさせる事業者がいます。これらは違法行為ですが、証拠が残らないために、そのほとんどが処罰されません。2023年の報道発表においても、被害に関連した集団暴行・傷害致死事件なども発生し、組織犯罪の温床にもなっています。被害女性の中には自死された方もいます。2022年4月からの成人年齢の引き下げに伴い、18歳19歳の若年女性が狙われています。正直、若年女性の福祉は性的搾取をするひとたちの数に敗北しています。

不利な条件を乗り越えていくために

 

なぜ性的搾取はなくならないのでしょうか?

 

性的搾取が横行することにより、経済的な損失も計り知れないと考えます。犯罪収益でいえば、拳銃やドラッグは、一回しか売買できませんが、性は何度も繰り返し売ることができ、それに関わる者たちは荒稼ぎできてしまいます。最近では、警察庁によれば暴力団や匿名・流動型犯罪グループの関与の可能性があるとして、取り締まりを強化していますが、性的搾取を直接取り締まる法律がないことや、たとえ法律に抵触していたとしても、取締りの対象になったとしても、立証が困難なケースとなることが多く逮捕されにくい現状があります。そのため、性的搾取に手を染める人は一向に減らない問題もあります。

私たちは「セックスは買える」ことがエンターテインメントとなっている時代に生きています。世界規模で女性と子どもの性的搾取が定着化し、性的搾取がもたらす莫大な収益により維持・強化されています。それを覆すことは並大抵ではありません。

 

ぱっぷすではこの2年間で、AV出演被害防止救済法・不同意撮影罪・性的グルーミング罪が成立したことを通じて社会を変えていくことができました。

 

いまダイナミックに社会が変わりつつあります。

ぱっぷすは、これからも相談支援活動を通じて、性的搾取に終止符を打つために、

心温かなご支援いただけますよう宜しくお願いします。

 

​組織概要

特定非営利活動法人 ぱっぷす

Organization for Pornography And Sexual Exploitation Survivors : PAPS

TEL:050-3186-4119

FAX:03-6304-2564

MAIL:paps@paps-jp.org

 

​情報公開

特定非営利活動法人法第28条の2第1項に規定する「賃貸対照表」などの事業報告を電子公告しています。

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